昨日のこと  

 自宅からほど遠からぬところで、昨日、新作の自作ビデオの上映をおこないました。持ちこみの作品を自由に無審査で上映してくれるスペースがあり、第三月曜日と決めて、月一度、定期的にその催しがおこなわれているのです。

 上映した作品のもともとは、先々週に六甲のギャラリーでおこなわれたイベントの催しのため、既存の映像素材から恣意的にピックアップして、急遽一日ででっちあげた超短編映像集でした。そのときは7篇だったものを、その後また一日かけて3篇増やし、10作の小品集にまとめたものです。

 六甲のイベントでは、ビデオプロジェクターがかなり旧式で、液晶ドットは粗いものでした。投影された画面サイズもそれほど大きなものではありません。そのせいもあって、そこそこ効果的な視触感がありました。ごまかしが効いたというところでしょう。

 しかし今回は、プロジェクターも優秀、投影画面もまた巨大で、そのサイズと質において投影されてみると、発想の陳腐さ、その構図の無神経、カメラパフォーマンスの悪さ、つなぎと構成の粗雑さといったもろもろの劣等性がまざまざと浮き立ち、刃をグサリと、おのれに対して突き立てられたように感じてしまいました。

 家庭のテレビのモニターサイズでみているときには、なんとか、鑑賞価値があるかのように安易に考えていたのですが、ダメでした。甘い。映像表現をなめている。自分で自分にそう批判するほかありませんでした。残念ですが、それが幻想なき実力というところ。無能のきわみの覚醒です。

 そんなわけで、今日は、いささか以上に落ちこんでおります。

 バカはバカなりに、その現状認識から建設的な一歩をすすめるほかないのですが、それでどうにかなるレベルとは、いまはにわかに信じがたい。ハードルは、ことのほか高いようにおもいます。この突破をどうはかるのか、苦悶は底知れずつづきつづける気配です。またや、地獄の季節の到来でしようか。